民泊と聞いて多くの方が想像されるのは古民家の民泊ではないでしょうか?
古民家の空き家化の進む昨今、民泊として日本の文化を感じさせる施設という生まれ変わりを見せる民泊での古民家は国内外問わず注目を集めています。
今回はそんな古民家での民泊の開業についてポイントをお伝えします。
目次
古民家民泊の魅力
古民家を利用した民泊は、日本の伝統的な生活文化を体験できることから、非日常感を味わえると国内外の旅行者に人気が高まっています。
特に外国人観光客の利用が多く、日本ならではの生活様式を体験できるだけでなく、戸建てを貸しきる形で宿泊できるため、自然に囲まれたゆったりとした時間を過ごすことも可能とします。
古民家の内装は、和室が中心で、畳や障子、欄間など、日本の伝統的な要素が随所に見られます。さらに、サービスによっては、地元の食材を使った手作りの料理を提供することもあり、地域の食文化も楽しむことが可能です
古民家民泊は、ただ泊まるだけではなく、地域の文化や歴史に触れ合うことも可能とし、特に文化体験を求める旅行者にとって魅力的な宿泊施設になり得ます。
民泊開業における古民家という選択肢
・ターゲット層は?
では古民家で民泊を行う場合、どんな層がターゲットとなるのでしょうか?
古民家を活用した民泊は、特に歴史や文化に興味を持つ観光客、おもに外国人観光客の方が多い傾向にあります。日本人観光客の方であっても、都市の喧騒から離れて静かな時間を過ごしたいと考え、古民家の提供する落ち着いた環境を求める方もいらっしゃいます。
基本的には幅広いターゲット層から支持を得られる古民家での民泊ですが、対象とするターゲット層に合わせた戦略が求められます。
例えば、若年層や外国人観光客に向けてであれば、民泊としてただ「泊まる」だけでなく、地域に根ざした体験を行えるだけでも民泊としての魅力がぐっと引き立つでしょう。
このように、古民家の魅力を最大限に活かすためには、これらのターゲット層のニーズに応えることが、成功につながります。
・おすすめの立地
幅広い層をターゲットとして持つことのできる古民家での民泊。開業を考えた際にまず当たるのが「立地をどうするか」と言った壁ではないでしょうか?
まず挙げられる理想的な立地は、アクセスの良い場所です。観光地や人気の観光ルートに近いことで宿泊客の行動がスムーズになります。例えば、京都や奈良のような歴史的な都市では、古民家を活用した民泊は特に人気があります。これらの地域では、古い町並みとの調和に自身も入り込むことができると言ったような魅力があります。
次に、周辺環境も重要な要素です。自然豊かな地域や、静かで落ち着いた環境は、都市の喧騒から離れたいと古民家での民泊を選んだ宿泊客に適しているでしょう。
古民家で民泊を営む際の注意点
・老朽化チェック
古民家を民泊として使う際に、最も注意が必要となってくるのが老朽化のチェックです。
古民家と呼ばれる基準としては、まちまちではありますが、だいたい築50年以上の木造建築の物件を指します。
そのため、古民家として利用をする際には建物の基礎となる構造部分のチェックが必須です。これには、柱や梁、床下などの木材の腐食やシロアリの被害がないかを調べることが含まれます。特に古民家は木材を多用しているためあらかじめの点検は必須となってくるため注意が必要です。
次に、屋根や外壁の状態の確認も必要です。古民家の屋根材には瓦や萱が使われていることが多く、屋根の傷みは雨漏りの原因となります。外壁についても、ひび割れや剥がれがないかチェックし、必要に応じて補修を行うことが大切です。
また、民泊として使う前に古民家特有の設備や装飾の状態も見逃せません。たとえば、障子や襖の破れ、畳の傷みなどはマイナスなイメージを持たれてしまいやすい箇所になります。
古民家という以前使っていた物件がもとになるとはいえ、民泊は宿泊施設です。宿泊客の方が気持ちよく過ごせることを第一に考え、民泊の整備箇所を見つけていきましょう。
・リフォームの必要性
先ほど少し触れたように古民家は基本築50年以上の木造の建物のことを指します。
そのため、耐震性や保温性だけでなく、水回りも古い形であったり、劣化が激しかったりする場合もあります。
例えばトイレ。古民家の場合、和式トイレのことも多々あります。しかし、外国人観光客の方は和式トイレの使い方がわからない方がほとんど。生活に重要なトイレが使えなくては快適な滞在になりませんよね。こういった時こそリフォームを行うようにしましょう。
また、キッチンもターゲットのニーズに合わせて広々としたものに変えるなどの工夫が必要です。
最低限、古民家らしさを残すために、柱や梁のような主要となる部分のみは残して、他は現代風に使いやすいようなリフォームを行うのでも良いでしょう。
・認可申請
古民家での民泊はただ物件を購入できればいいというわけではありません。
民泊を始めるための手続きというのも必要となってきます。ここでは、古民家で民泊を行う際の主な注意点と必要な許可や申請手続きについて説明します。
まず、民泊施設として古民家を使用する前に、地方自治体の条例や規制を確認することが重要です。民泊に関する法律、特に住宅宿泊事業法(通称:民泊新法)に基づき、運営を始める前に必要な届出があります。年間で180日以内の開業しか認められていないという制限はあるものの、一般的な宿泊施設を運営するための法律や規制よりは決まりが緩く、条件を満たしやすいというメリットがあります。しかし、どうしても180日以上の営業がしたい、という場合には自治体によって、外国人観光客の受け入れを促進している民泊に認められる「特区民泊」という特例が設けられている場合もあります。他にも宿泊施設では無く、レンタルスペースとしての貸し出しを行う、短期賃貸として貸し出すなどといった方法で収入を途切れさせないようにすることもできます。
次に、古民家の建物が建築基準法に適合しているかどうかの確認が必要です。多くの古民家は古い建築様式で建てられているため、現代の建築基準に合致していない場合があります。この場合、改修が必要になることもありますので、事前に調べておくようにしましょう。
また、木造の古民家では特に消防法に基づく安全基準を満たす必要があります。これには、避難経路の確保や消火器の設置など、具体的な安全対策が求められます。
古民家での民泊は、適切な準備と法的な手続きを経ることで、多くの人々に愛される魅力的な宿泊施設となり得ます。法的な要件をしっかりと理解し、計画的に進められるようにしましょう。
開業資金は?
古民家を活用した民泊開業は、近年人気を集めていますが、その際に最も気になるのが開業資金の問題です。ここでは、古民家での民泊開業に必要な資金について解説します。
まず、古民家を購入する費用が必要です。地域によって大きく異なりますが、一般的には100~500万ほどが相場です。
さらに、古民家を民泊として利用するためのリノベーション・リフォームには、建物の状態や改修の規模によりますが、500~2000万ほどが必要です。
それだけではありません。次に、民泊として運営するための設備投資があります。ベッドや家具、キッチン設備、エアコンなどの家電製品が必要となり、これらの初期設備にも多くの資金を要します。また、安全対策として消火器や防災用品の購入も欠かせません。
そうなるとなかなかに費用が掛かってきてしまいますよね。
そんな時、費用を抑えるポイントとしては補助金の利用やDIYを視野に入れることです。
補助金は主に耐震基準、断熱基準を満たさない物件のリフォームに支給される補助金です。古民家を住居に近いより快適なものにリフォームをしたいと考えている方はこういった補助金の利用をおすすめします。
次にDIY。床板の張替えや、壁の塗り替え・張り替えなど。できる範囲でDIYを取り入れるだけでも費用を抑えられます。手間がかかってしまうことと、プロに依頼するよりもクオリティが劣ってしまったり、場合によっては失敗してしまうなんて言うこともあり得ます。どういった古民家にしたいかということを予め計画したうえでDIYを取り入れる場合には、どこにどう取り入れるか検討するようにしましょう。
また、場合によってはDIYを行うことで本来より額が上がってしまうなんてこともないとは言い切れないため、その点も考慮する必要があります。
開業後についても考えておこう
古民家民泊を開業した後の運営について考える際には、清掃や維持管理について見落とさないようにすることが重要です。民泊を営む場合、宿泊客が快適に過ごせる清潔で整った環境を提供することは、満足度を高くするために欠かせませんよね。さらに、施設の価値を維持し、長期的な収益を確保するためにも、適切な管理が欠かせません。
多くの民泊オーナーは自らの住居とは別の場所で民泊を行っています。そのため、宿泊客が退去した後の清掃作業や施設のメンテナンスは、オーナーにとって手間や移動の時間がかかる作業となります。ここで利用をおすすめしたいのが、民泊清掃代行業者への依頼です。
民泊清掃代行業者に依頼することで、宿泊客が退出した後すぐに清掃作業を行うことができます。これにより、次の宿泊客のチェックインまでに迅速に清掃を行うことが可能となります。また、急な予約変更や追加清掃の要求にも柔軟に対応することができることもうれしいポイントです。
清掃作業だけでなく、アメニティの補充や施設内の不具合の早期発見・対処も代行業者に任せることができるのもメリットです。早い段階で不備に気づくことにより、宿泊客からの不満やトラブルを事前に防ぐことができます。また、定期的な点検やメンテナンスによって、施設の設備や備品の劣化を防ぎ、長期間にわたって品質の高いサービスを提供することができます。
また、清掃やメンテナンスなどの作業を代行業者に任せることで、オーナー自身の負担を軽減し、副業として民泊を営んでいる方は特に時間や労力を他の業務に集中することができます。
清潔で快適な宿泊環境を提供することは、宿泊客の最も気にする場所であり、評価に直結する部分となります。手が回らないかもし多れない、と悩む場合には清掃代行業者への依頼を一度検討してみるのもいいかもしれません。
まとめ
古民家での民泊は、リフォームなどの観点からも簡単に出来るものではありません。ただしその分、非日常感を味わえることからも多くのターゲットを得ることができます。
そんな古民家の民泊ですが、立地によっては自分での清掃などの維持管理が難しいなんてことも。そこでおすすめしたいのが清掃代行業者への依頼です。
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