戸建ての民泊は家族連れやグループを対象としているため需要はあるものの、一軒家の民泊として開業していることが少ないため競合が少ないというメリットが挙げられます。
また、単価も高く設定されることがほとんどであるため長期にわたる安定した売り上げが見込めます。
とはいえ以前住んでいた家や空き家となってしばらく放置されていた家は生活感がどこか残ってしまっている部分があったり、「生活」のために建てられていたものであるため宿泊には向いていない場合が多いです。ここで行いたいのがリフォームになります。
この記事ではそんな一軒家をリフォームして民泊として開業するまでのポイントを解説していきます。
リフォームをする意味とは？
・民泊に適した間取りとは？
一軒家の民泊では特にグループを主にした大人数の宿泊を視野に入れているため、共有スペースとなり、団らんの場ともなるリビングは無駄な壁や柱のない広々とした間取りが良いでしょう。
また、プライバシーを保ちつつ、大人数の宿泊を受け入れるためには、寝室の数を多めに設けることが理想的です。さらに、オープンキッチンなどの設備を導入して、宿泊者同士のコミュニケーションを促進する工夫が必要です。
加えて長期滞在をする宿泊者が快適に過ごせるように、動線やインテリア類の配置にも配慮が必要です。行動しやすい動線を確保し、各部屋や設備へのアクセスがスムーズに行えるようにします。これにより、宿泊者が滞在中にストレスなく移動できるだけでなく、民泊ならではの良さを感じてもらえるようになるでしょう。
・補修も大切！
一軒家の民泊リフォームにおける補修は複数の意味で重要になってきます。
まず、安全性の確保のため。以前住宅や別荘として使っていた建物の場合、場合によっては長年の使用によって、構造や設備に劣化や損傷が生じる可能性があります。このような問題が放置されると、建物の安定性や耐久性が低下し、ちょっとしたことで宿泊客がけがをしてしまう可能性があります。壁や床など経年劣化が目立つ場所の補修は必須です。また、火災警報器や消火器などの安全設備の点検と更新も重要になってきます。
次に、快適性が重要です。せっかく宿泊をするのであれば、自宅以上に快適な環境で滞在したいものですよね。水回りの設備を新しいものに変えたり、キッチンも使いやすいものに変えたりといった工夫が重要になってきます。また、断熱性や通気性の向上など、居住性を高めるための補修も重要です。
そして何より清潔さも重要になります。キッチンやバスルームなどの水回りの衛生状態は重要です。長い間使っているとどうしても目についてしまう水垢やカビ。新しいものにリフォームすることによって使用感を感じさせず、気持ちよく利用してもらえることが見込めます。
一軒家の民泊リフォームでは、安全性、快適性、清潔さ、これらを併せ持った満足度の向上を考慮するためにも一軒家で民泊を開業する際には補修作業が重要となってくるのです。
・コンセプトをしっかり固めて開業しよう
民泊リフォームを行う際に、民泊をどのようなデザインにするか、どのような利用目的で使ってもらうかなどコンセプトをしっかりと立てることは大切なポイントになってきます。コンセプトは民泊を行う際に同業との差別化を図ることができます。現代の宿泊業界は、ホテルや旅館だけでなくこういった民泊など、業界内での競争が激化しています。その中で、自分の施設を他と差別化するために、独自のテーマやアプローチを持つことが重要です。たとえば、立地を生かした自然に囲まれた静かな滞在期間の提供であったり、文化や歴史に焦点を当てた学びの場を提供できるサービスをつけてみたり、地元の食材や料理を楽しむグルメの宿泊体験など、他にはない個性的なコンセプトを設定することで、差別化を図れるだけでなく、宿泊客の満足度の向上にもつながります。
また、コンセプトは宿泊客のニーズに合わせて民泊を作るための指標となります。例えば、アクティブなアウトドア体験を求める人には外でも楽しめる要素を併設したり、広々とした空間でゆったりとした時間を過ごしたい人向けにはリラックスできるようなアメニティをするなど、コンセプトに基づいた多様なサービスを提供することで、ターゲットとした宿泊客の期待に応えることができます。
民泊ビジネスの成功には、明確なコンセプトを設定し、それを実現するためのサービスや体験を提供することが不可欠です。リフォームを行う際には民泊のコンセプトをしっかりと決め、民泊の差別化、顧客満足度の向上を行えるようにしましょう。
リフォームするならここは要チェック！
・水回り
民泊を筆頭に宿泊施設で最も重視すべきと言っても過言ではないのが水回り。雑菌の繁殖がしやすいといった理由から、衛生的に保つことが必要となってくることも相まって、リフォームするにあたっては、新しく、綺麗なものにしておくことをおすすめします。また、旅館業法によって民泊を開業するために必要な設置数などが定められている場合もあるためあらかじめ調べておくようにしましょう。
例えばトイレ。大人数の宿泊を視野に入れている場合には複数個所にトイレを設置する必要があります。2階建てであれば最初から２つついている場合もありますが、実は旅館業法によって設置個数が定められているんです。自治体の決まりによって個数は変わってきますが、一般的に男女別として2つ以上は設置することが求められています。必要に応じて新しくトイレを設置するなどの対策をできるようにしておきましょう。
他にも、浴室やキッチンなどの水回り設備も重要です。清潔で使いやすい設備を整えることで、宿泊者が快適に過ごせる環境を提供できます。もちろん使用にあたっては定期的なメンテナンスや清掃も欠かせず、水回りの設備を常に清潔に保つことが重要です。
水回りの設備については、予期せぬトラブルや不具合が起こる可能性もあるため、最新の設備や技術を取り入れることも検討してみてください。リフォームを通じて、水回りの設備を充実させることで、宿泊施設の魅力と安心感を高めることにも通じるでしょう。
・寝室
こちらもまた大勢での宿泊を想定している場合には、必要となってくるのが寝室です。プライベートな空間としての役割を果たす寝室は可能であれば複数個部屋を設けるのが理想でしょう。２階建てであれば階ごとに用途を分けられるようにリフォームするのも良いかもしれません。例えば、1階には共有スペースとしてキッチンやバスルームを配置し、宿泊者同士が交流できる場を確保します。ここでは食事を作ったりくつろいだりすることができ、宿泊者同士がコミュニケーションを取りやすくなります。
一方で、2階には複数の寝室を設けることで、宿泊者が個々のプライベートな時間を楽しむことができます。
こうした「空間の使い分け」ができるのも一軒家の民泊ならではなので生かしていけるようにしましょう。
・外装
リフォームは内装だけではありません。最も目につきやすい外装にも注力できるようにしましょう。例えば、外壁の塗装や修復を行い、古びた外観を新しくすることが重要です。また、窓やドアの交換を検討し、現代的で安全性の高いものに更新します。同時に、烈火のある場合には屋根の補修や修理を行い、耐久性を確保します。古民家などの場合には、古民家の良さを消さないような外装リフォームを心がけましょう。
外装のリフォームでは見た目だけではなく、安全性と耐久性の確保も不可欠です。防水性の確保や耐久性の高い塗料の使用、照明の設置などがこれに該当します。
エクステリアの設計も外装リノベーションの一環です。大勢の宿泊客を想定した際に外でも楽しめる工夫をしたり、古民家で外国人観光客をターゲットとしているのであれば日本庭園らしさを取り入れた庭作りをしても良いでしょう。
最後に、外装リノベーション後も定期的なメンテナンスが欠かせません。外壁や屋根の定期的な点検、清掃、塗装の再施工などを計画し、外装の美観と耐久性を維持できるようにし、長期にわたって愛される民泊作りを行いましょう。
リフォーム費用はどれくらい？
・リフォームに実際かかる費用は？
築年数が長ければ長いほどリフォームする必要も出てくる一軒家での民泊。
トータルの費用としてはどれだけ手を加えるかにもよるためピンからキリまでではありますが、大体が200万円～になります。
・リフォームの費用の内訳
リフォームをどこまでするかにもよりますが、参考程度に以下でご紹介いたします。
外装リノベーション:
外壁塗装: 約30万円から100万円以上
屋根修理: 約50万円から200万円以上
窓やドアの交換: 1つあたり約10万円から50万円以上
内装リノベーション:
キッチンのリフォーム: 約50万円から200万円以上
バスルームのリフォーム: 約50万円から150万円以上
床材や壁紙の交換: 約10万円から50万円以上
家具や家電の購入: 約50万円から200万円以上
・資金の調達方法
大幅なリフォームが必要な場合には相当な額のかかってしまう民泊のリフォーム。
ぱっと言われてもなかなかリフォームのための自己資金を用意できないのが実際のところかと思います。ここでそんな資金の調達法をいくつかご紹介いたします。
融資
民泊が開業しやすくなった今、公的融資も以前より使いやすくなっています。
最もポピュラーなのが日本政策金融公庫からの融資でしょう。
とはいえ、融資が下りるためには審査があり、具体的な開業後の運営計画や今までの経験をもとに審査は行われます。申請をする際には数字や売り上げの見込み戦略を明確に提示しするようにしましょう。
補助金
コンテナホテルの開業にあたっては、補助金や助成金を活用することができます。主な補助金として、IT導入補助金、事業再構築補助金、そして小規模事業者持続化補助金が挙げられます。
IT導入補助金
コンテナホテルの業務効率化を図るために、ITツールの導入を支援する補助金です。従業員200人以下かつ資本金5000万円以下の企業が対象であり、一人当たり最大450万円の補助金が受けられます。例えば、予約管理システムや顧客管理システムの導入などが挙げられます。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者の販路開拓や生産性向上を支援するための補助金です。民泊が対象となる場合、常時使用する従業員数が20人以下であれば申請可能です。ウェブサイト関連費や広報費、改装費用などに活用でき、最大で50万円の補助金が支給されます。
これらの補助金を活用する際には、まず各補助金の申請条件や手続きを確認し、適切なものを選択することが重要です。また、補助金の申請書類の作成や手続きには時間がかかる場合があるため、早めの準備が必要です。
・少しでも費用を浮かせるためにできること
自己資金以外でも資金を調達できる可能性があるとは言え、できる限り資金は抑えられるようにしておきたいですよね。
できるだけ資金調達の負担を減らせるように、そもそもの必要となってくる費用を少なくできるようにしましょう。
まずできることとしては、リフォーム箇所を限定すること。一時になってしまっては欲張ってあれもこれもとリフォームしたくなるかもしれませんが、なるべく必要最低限のリフォームに限定できるようにしましょう。
次にできることとして挙げられるのが、DIYを取り入れること。内装の場合は壁紙の張替え、塗り替えなど自分でできる場合もあります。また、ウッドデッキの取り付けなどもできないことはない作業です。どうしても費用を抑えたい……けれども妥協はしたくない……と言った場合には手間にはなりますがこういった手段を使うのも良いでしょう。
また、民泊の運用にあたっては維持費などもかかってくるため、アメニティを安価なもので揃える、まとめ買いするなど今後の運営費用を考慮したうえでも費用面で押さえられるようにしましょう。
民泊清掃の重要なポイント
・アメニティの補充ができているか
民泊で清掃・交換を行う際に重要なポイント1つ目はアメニティの補充と清潔さの確保です。宿泊客が民泊で快適に過ごせるようにするためには、アメニティの提供が不可欠です。特に、長期滞在の場合は、シャンプーやリンスなどの消費する備品が不足しないように注意する必要があります。常に在庫を確認し、十分な補充を行うことで、宿泊客が困ることなく快適に過ごせる環境を提供できるようになるでしょう。
清掃時には、アメニティのみならず、部屋全体の清潔さも重要です。タオルや寝巻など、洗濯が必要なアイテムについても、常に清潔な状態を保つことが求められます。汚れやシミがある場合は、適切に洗濯し、清潔な状態に復旧させることが必要です。
また、必要に応じてアメニティや設備の改善を行い、ニーズに合ったサービスを提供することも重要です。
総じて、民泊の清掃はお客様の満足度に直結する重要な作業です。アメニティの補充や清潔さの確保、そして宿泊客のニーズに柔軟に対応することが大切なポイントになってきます。
・水回りの清潔感があるか
民泊清掃において、水回りの清潔感を確保することは極めて重要です。宿泊客が最も清潔感を気にするのはバスルームやトイレ、洗面所などの水回りです。
こういった場所は特に衛生的に保つことが必要であり、清潔で快適な滞在を提供するための注意が必要不可欠です。
水回りは雑菌が繁殖しやすく、適切な清掃ができていないと臭いの原因となることもあります。排水溝やバスタブ、トイレなどは特に注意が必要で、こまめな清掃が不可欠です。
前の宿泊客が使用した後とは思えないような状態を保つために、定期的かつ徹底的な清掃を行うことが重要です。汚れや臭いの発生を防ぐために、適切な洗剤などを使用し、清潔な状態を維持するようにしましょう。
さらに、水回りの設備や備品のメンテナンスも重要です。水漏れや故障などがあれば早急に修理し、宿泊客に安心して利用してもらえる状態を維持することが必要です。また、シャワーヘッドや水栓などの部品が劣化している場合は、交換するなどの対策も行うためにも、毎回確認するようにしましょう。
・毎回同じようなクオリティで整えられているか
最後に民泊清掃においては、一貫性のある高い品質を提供することを徹底しましょう。
「寝室は清潔だったが、お風呂が汚れていた」「前回は気持ちよく過ごせたが、今回は前の宿泊者の滞在した跡が残っていた」……そんなことがあったらいやですよね。宿泊客が満足できない清掃のクオリティのムラは、満足度を損なうことにつながりかねません。
一貫性のある清掃品質を確保するためには、徹底した清掃方法、そして一律したクオリティの維持が必要です。清掃スタッフは、どの部屋でも同じ基準に則って作業を行い、細部まで見落としのないよう注意を払う必要があります。
さらに、適切な清掃用具や洗剤の選択、効果的な清掃技術の採用も欠かせません。汚れの性質や場所に応じて適切な道具や洗剤を使い分け、効率的で徹底的な清掃を実施することが必要です。清掃作業における妥協をしないようにしつつも一定の満足度を得られる働きをするようにしましょう。
民泊開業の注意点
・ターゲットに適した民泊になっているか
民泊を開業する際には、ターゲット層へのアプローチが行えているかというのが最重要点です。ターゲットに合わせたコンセプトの設定を行い、デザインやサービスも伴ってターゲットに合わせたものにしていきましょう。例えば、外国人向けの和風な民泊ならであれば和室や庭園を設けたり、和室のデザインを生かしたりと日本文化を楽しむ機会を提供することが大切です。また、子連れを対象とした民泊であれば、子供が楽しめるようなアクティビティのある民泊にするだけでなく安全性も確保できるような物にするのが良いでしょう。
・認可、届け出の漏れがないか
民泊を開業する際には、適切な認可や届け出が欠かせません。
まず、「旅館業許可申請」が必要です。この申請では、用途地域の制限や消防法令の順守、保健所との事前確認が必要です。さらに、景観を乱さないための都市計画課の確認や、法人で営業する場合の登記事項証明書の提出も必要とされる場合があります。
その後、保健所からの現地調査が行われ、許可書を取得することで営業許可が得られます。申請手続きは役所とのやり取りが主であり、地域によって異なる部分もあるため、事前に確認を怠らないようにしましょう。
また、次に必要となってくるのが「住宅宿泊事業法」です。これは近年増加傾向にある民泊において安全面やトラブルの防止といった観点から一定のルールを定めた物となります。
こういった住宅施設での宿泊業を営む際には、申請の漏れがあると罰則の対象となる恐れがあります。認可や届け出の漏れがないかというのはしっかりと確認をしたうえで開業に臨みましょう。
・清潔感があるか
清潔感があり、居心地の良さや快適さを提供することは、宿泊客にとって良い印象を与えるだけでなく、リピーターを増やしたり口コミでの評判を高めるためにも重要です。清潔感を保つためには、定期的な清掃やベッドリネンやタオルなどの交換、共有スペースや設備の整備が必要です。また、先にも書いたように室内の設備やアメニティの充実も清潔感を高める要素の一つです。良質な寝具やバスアメニティ、キッチン用品などを提供することで、ゲストの滞在体験を向上させることができます。清潔感を保つことは、民泊の成功に欠かせない要素であり、定期的なメンテナンスやゲストのフィードバックを受けて改善を行うことで、良質な宿泊施設を提供できるでしょう。
まとめ
一軒家を民泊としてリフォームする際には通常の民泊同様、宿泊客のことを第一に考えた作りにする必要があります。そのためにはコンセプトをしっかりたてて、ターゲットになる層に何が求められているか等、考慮した作りにしましょう。
また、開業後の運営についても予め開業前から考えておくことが重要です。特に清掃は手間がかかってしまうだけでなく、細かなところまで注力する必要があるため欠かせません。ここで清掃にはプロの手を借りることがおすすめです。
そんな時には民泊清掃に適したCleanBにお任せください。
プロフェッショナルな技術でハイレベルな清掃を行い、「また来たい」と思ってもらえる民泊づくりのお手伝いをいたします。