副業としての開業もできる民泊。空いている持ち家はないけれど、そんな副業をやってみたいと思う方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方にお勧めしたいのが「賃貸での民泊の開業」です。そんな賃貸を使った民泊開業について今回はご紹介いたします。
目次
賃貸を民泊にするメリット
・初期費用が抑えられる
元から空き家を所有していなかったりすると、物件取得費として意外と費用の掛かりそうな民泊。ところが賃貸で民泊を始める際には実は費用が抑えられるのです。
最も想像しやすいのが物件を実際に購入した場合と比較した時ではないでしょうか。物件を購入してからの民泊の開業となれば、物件取得費としての費用はかさみます。しかし賃貸であれば、敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用を抑えた状態で物件を取得することができます。
また、本来の用途として住居としてであればなかなか借り手の付かない事故物件のような格安物件であっても、民泊であればこういった過去の事象の告知義務が利用者に対して必要ありません。そのため、宿泊客への説明することなく、安く物件を得たうえで、民泊としての収益を得ることができるのです。
・収益率が高い
近年できた「民泊新法」では、民泊は年間180日の営業までと定められています。そのため民泊としての営業のみを考えている場合には正直なところ収益率もあまり見込めません。ここでそんな抜け道として挙げられるのが「ウィークリーマンション」や「マンスリーマンション」のような別の顔としても活用させることです。また、地域にもよりますが、「特区民泊」として外国人観光客に適した民泊にすることで365日営業することも可能となります。
また、広い民泊であれば、団体客の利用を見込めます。そのため、団体利用料金として最初から単価を高めに設定することができ、1回の宿泊に対しての収益も多く得ることができるでしょう。
立地やターゲットにあった形態での開業をすることで、収益も得やすくなるといったメリットがあるのが民泊です。
賃貸を民泊にする内装デザインのポイント
・限られた空間を賢く使おう
賃貸で多いのが、アパートやマンションの一角を民泊として営業することでしょう。
その場合、限られたスペースで快適な宿泊をしてもらえるようにインテリアなどから空間づくりの工夫をする必要があります。
そのため、空間をうまく利用できる多機能、且つコンパクトな家具を取り入れることが理想とされるでしょう。とはいえ、せっかくの旅行の一環での宿泊。せっかくなら非日常感を感じたいと思うのが宿泊客の本音ではないでしょうか。
滞在において必要となる、ベッドやソファー、キッチン回りの家電、机等、同じ空間にある大きめのインテリアは、なるべく色や素材を揃えて統一感を感じさせる部屋作りをしていきましょう。
また、インテリアを選ぶ際のもう1つの注意点として、なるべく汚れにくく、掃除のしやすいものを選ぶようにしましょう。今後民泊として運営していく時に、お客さんに気持ちよく過ごしてもらうためには都度都度の清掃が必要となってきます。掃除のしにくいインテリアばかり置いてしまったり、掃除のしにくい配置に大きな家具を置いてしまったりすると毎度手間になってしまいますよね。
こういったことを避けるため、ポイントとしては
・拭き掃除で汚れがとれる素材のインテリアを選ぶ
・装飾の少ないシンプルな形のものを選ぶ
・床面積を広く保つようにする
の3つを抑えて選ぶようにしましょう。
また、非日常感や清潔感の演出としてコードやリモコンなどの小物は収納できるスペースを作ったり、視界に入らないように隠したりと言った工夫ができるようにするとさらに良くなります。
加えて、おしゃれさを演出させたい場合には、床に置くインテリアでは無く、壁掛けの絵画やテレビ台に置ける大きさの観葉植物のような、ちょっとした色どりを加えられる小物を選ぶようにすると良いです。
・退去しやすい配慮をしよう
賃貸につきものなのが原状回復に対する問題。
せっかくならおしゃれにしたい……と思っていても、手を加えられる範囲が限られてしまう場合がほとんどです。
例えば、壁への釘穴やねじ穴と言った補修しきれない大きな穴、壁の模様替えや床の傷。大規模なところで言えば、仕切りの壁を抜くなども原状回復に関して問題視されます。
そのため、壁紙をおしゃれなものに変えたい、壁掛けの棚を作りたい……などの希望がある場合は、跡の残りにくく、退去する際に手間のかからない物を選ぶようにしましょう。
壁紙であれば壁紙を壁用のホッチキスで張り付けたり、床であっても滑り止め加工やシールで簡単に貼ってはがせるものが良いでしょう。画鋲程度の穴であれば原状回復義務は負う必要がありません。壁に棚を取り付ける際にも、画鋲で取り付けられるものを選ぶのが良いです。
また、おしゃれな空間の演出に欠かせない照明に関しても、照明の交換が可能な賃貸、不可能な賃貸があります。
基本的に備え付けの照明は貸主の許可なく替えることはできないため、この点注意が必要です。万一、替えられるとなったとしても、釘打ちのような大きな穴をあけてしまう必要のある照明ではなく、既存のアダプターに取り付けられる照明を選ぶようにしましょう。照明は替えられないけれど、おしゃれなライトをつけたい場合は、スタンドライトを置くなどの工夫や、自然光を取り入れられる工夫をするだけでも部屋の印象を明るく感じさせることができます。賃貸であることを忘れないながらも、ちょっとしたDIYをしながらおしゃれな内装デザインにできるように心がけましょう。
・家具・家電にこだわろう
宿泊客の方の大半は、予約の際の民泊の内装写真でどこに宿泊するかを決める場合が多いです。そのため写真写りは非常に重要になってきます。
先に述べたように、内装デザインがもたらすおしゃれさももちろん重要ですが、さらに決め手となるのが家具家電へのこだわり。特に家電は最新のものを取り入れたり、デザインにこだわったものにするだけでも部屋に高級感、乃至、統一感が生まれやすくなります。洗濯機や冷蔵庫と言った大型家電だけでなく、キッチンが使えるという民泊の良さを生かした調理器具などもこだわると見た目だけでなく、利便性も良くなり長期滞在を考えられている方を中心に好まれやすくなるでしょう。
また、内装デザイン以外になりますが、あると良いものも2つご紹介いたします。女性を主に受け入れたいと考えている民泊の場合には、ドライヤーやヘアアイロンなどのビューティー家電を置くといった工夫をしても良いかもしれません。ドライヤーやヘアアイロンの様に荷物となるけれど、必要なものは女性のお客さんとしては欲するところ。こういったアメニティがあるということを全面的に押し出すだけでも集客に直結するでしょう。
Wi-Fiの完備も重要です。特に外国人観光客の民泊利用の増加している昨今、Wi-Fiは民泊に必要不可欠と言っても過言ではありません。設置する際にはごちゃごちゃして見えがちなコード類は隠せるようにしましょう。
民泊にする賃貸の選び方
民泊を行う賃貸を選ぶ際には、次にお伝えする3つの観点の内のいずれかから選ぶと選びやすくなるでしょう。
・ターゲットを決める
まずはターゲット。年齢層や性別だけでなく、外国人観光客、日本人観光客と言った国籍によっても部屋の好みや、理想となる間取りは変わってきます。
例えば外国人観光客の場合。長期の滞在を目的としている方が多い傾向にあります。また、主要となる駅からの近さを考慮している方も多いため、外国人観光客をターゲットにする場合には、極力駅に近い、交通の便のいい立地を選べるようにしましょう。団体で来ている方が多いことを考慮し、広めの部屋を設けることをおすすめします。加えて「日本らしさ」を体感するために民泊を選んでいる方もいらっしゃるため、あえてベッドなど海外での普段の生活で使えるようなものは用いず、日本らしさのある布団で寝てもらうことができるように和室がある物件を選ぶなどしても良いかもしれません。
また、外国人観光客の利用において最も懸念されるのが夜の騒音トラブル。近隣の住民の方からのクレームを避けるためなるべく防音設備のついている物件を選ぶだけでなく、開業する際には理解してもらえる言語での注意書きや説明書きを設けるなどの配慮をしましょう。
対して、日本人観光客の場合には、ホテルライクな非日常的空間を求めていることが多いです。壁のような仕切りのあまりない広々としている空間且つ、プライベートな時間を確保できる寝室としての個室がある物件が良いでしょう。「いつも過ごしている部屋」よりかは「特別感を感じられる部屋」を目指せるように、立地も海沿いや別荘地付近など眺めのいいところに構えるのもいいかもしれません。若者を対象とするのであれば、買い物に行きたくなったらすぐに行けるようなコンビ二などが近くにあるのでもいいでしょう。
また、民泊ならではの良さを生かせるようにキッチンなどもオープンキッチンの物件を選んだりと団らんの場を設けられることが理想です。
ほか、外国人観光客であろうと日本人観光客であろうと、小さい子供連れの宿泊客を想定している場合には、走り回れるくらいのスペースだけでなく、安全性にも考慮する必要があります。床にカーペットを設けて店頭を防止することや、壁や机の角にクッションを取り付けるなど細かな部分にも気を配れるようにしましょう。
・立地を決める
民泊の開業に伴って、「管理しやすいように自分の家の近くに民泊を構えたい」「家からちょっと遠いけど行きやすいように駅の近くに構えたい」「大勢の人に利用してもらえるように観光名所の近くに構えたい」等、立地から決めている場合ももちろんあるでしょう。このように立地があらかじめ決まっていながら物件を決める際には、抑えておきたいポイントが3つあります。
1つ目が大都市での開業を想定している場合。この場合には交通の便の良さが第1です。観光資源が近くにある場合には、バスや電車といった交通機関ですぐ行ける場所、そしてわかりやすい場所にあることで宿泊客の方もスムーズに行動することができます。
2つ目が住宅街にある場合。近隣の住民の方に迷惑が掛からないかという点をしっかりと注意できるようにしましょう。場合によっては、民泊開業前に近隣住民の方からの許可が必要になることもあります。防音設備だけでなく、マンションなどの集合住宅の一部を民泊にする場合には、民泊を開業する階層などにも注意するようにしましょう。
3つ目が費用面です。特に立地の良い場所になると家賃は格段に上がってしまうというもの。それでは費用対効果がなかなか現れないだけでなく、最悪赤字になってしまうこともあります。そのため、今後見込まれる収益と照らし合わせて釣り合う物件を借りられるようにしましょう。
・コンセプトを決める
「和風な内装で文化に触れてもらいたい」「カフェみたいなおしゃれな内装でゆっくりくつろいでもらいたい」「皆で修学旅行気分を味わってもらいたい」等、明確に「こうしたい」というコンセプトが固まっている方もいらっしゃいますよね。そういった方はそのコンセプトに基づいて立地も決めていきましょう。ある程度のコンセプトには先ほど紹介した「ターゲット」が絞られてあるはずです。「ターゲット」に適した立地にするのが好ましいでしょう。また、これに伴って内装の間取りもコンセプトにあったものを探すようにしましょう。
かかる費用はどれくらい?
・賃貸を民泊にするための費用
取得する物件の立地にもよりますが、大体賃貸を借りる際の初期費用として10~50万ほどはかかるとされています。
賃料だけでなく、管理費や敷金、礼金と言った初期費用が掛かることは踏まえておく必要があります。
次にかかってくるのが内装費用です。とは言っても賃貸のほとんどは大々的な工事はできないため、多くはインテリアや家具、貼るだけの床紙・壁紙などになります。
インテリア類はベッド(もしくは布団)、冷蔵庫、洗濯機、机と椅子と言ったような最低限の家具だけでも揃えておきます。大体費用としては20~50万ほどを見ておきましょう。
次に挙げられるのがリネン一式。室内に清潔感をもたらすためにも清潔なリネンは必要不可欠となってきます。清掃の際の替えのものも含めた、シーツ、布団、枕カバーを用意しておきましょう。さらに清潔感を維持するために欠かせないのが清掃道具。清掃は基本宿泊客は触れない部分ではありますが、どんな汚れがあった場合にも極力対処できるようにそろえておくようにしましょう。
この2つの合計額は大体5万円ほどです。
これらのものをすべて合わせると、大体100万前後になることが見込まれます。さらに手間取りがちな届出などの手続きを行政書士の手を借りて依頼した場合には、総額150万近くになってしまう可能性も否めません。
・費用をなるべく抑えるためにできること
意外と費用がかかってくるな、と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。開業をしてからも、収益が思うように入るか不安になられている方もいらっしゃると思います。
そこでなるべく費用を抑えるための方法をここではいくつかご紹介いたします。
まずはインテリアや家具について。
こだわりがもしないのであれば、中古のものを探してみるようにしましょう。新品で購入するよりも費用を大分抑えられるだけではありません。稀に新品同様の掘り出し物があるなんてことも。1度試しに見てみるのが良いかもしれません。
次に、DIYを取り入れること。こだわりのこんな家具が欲しい!と意気込んでいても、理想の家具は意外と値が張ったりしてしまうものですよね。無理のない範囲で、作れるものは作ってみたり、ちょっとしたアレンジを加えてみたりしてはいかがでしょうか。また、賃貸と言えど老朽化の進んでいる物件ではリフォームの必要が出てきてしまうこともしばしば。物権選びの段階でリフォームの必要のない物件を選べるようにするのが良いでしょう。
賃貸を民泊にするときの注意点
・貸主の許可は取れているか
賃貸で民泊を行う際に大きな壁となるのが貸主の許可がとれているかという問題。賃貸物権はそもそもの権利が当然ながら貸主にあるため、無許可で借りた場所を転貸しのような形で第三者に貸し出すことは禁止されています。また、分譲マンションの場合だとそもそものマンションの使用用途が「居住」であることからも、マンションの管理組合から許可が下りない場合もあるので注意が必要です。許可が下りた場合でも、行政からの審査によっては満足に民泊を運営できなかったりする可能性もないとは言い切れません。賃貸借契約書を確認したうえで貸主の許可をしっかりととってから民泊営業を行うようにしましょう。
もし万が一、貸主の許可を得ないまま無断で民泊の営業を行うと、賃貸の契約の解除を余儀なくされる可能性があるほか、場合によっては法的措置をとられ損害賠償金を伴う問題にまで発展しかねません。
賃貸を探す段階から貸主の許可がとれる物件なのかといったことを確認しておくようにしましょう。
・内装工事がどこまで可能か
賃貸における問題としてもう1つ挙げられるのが内装工事にどこまで手を加えられるかと言ったところです。経年劣化によって損傷の激しい賃貸であれば補修する必要や改装したいと言ったことも。それだけでなく水回りを新しく清潔感のあるものに替えたい、畳を張り替えたいなど理想の民泊とするために内装リフォームの希望がある場合もあるでしょう。
とはいえ、こういったリフォームも貸主との相談ありきになってくるため確認を怠らないようにしましょう。
特にほかの部屋との間取りとの差が出てしまう場合などには認められない場合が多いです。間取りにこだわりたい場合には賃貸を探す段階から理想に近い間取りの物件を探すのが良いでしょう。
・開業後の運営についても考慮する
民泊は開業後の運営についても考えて開業することが成功の秘訣です。
最初にも触れましたが、どういった運営をしていけば収益が得やすいかを考え、収益率の良い運営をしていきましょう。
例えば観光地から少し離れているような場所であれば、普段はレンタルスペースとしての貸出しを行って収益を得たり、普段は事務所として設置をしたり、と用途をさまざまに変えることができます。
また、収益面だけでなく、民泊事業自体の運営についての考慮も必須です。特に清掃についてはどういった動き方をしていくのかを考えておきましょう。
清掃は宿泊客が退出した後、次の宿泊客が気持ちよく過ごせるように掃除をするだけでなく、リネンの交換や、アメニティの補充などといった作業もあります。副業の一環として開業されることも多い民泊ですが、自分でその清掃まで行おうと思うと、なかなか仕事で手が離せず、清掃にまで手が回らなくなってしまうなんてこともないとは言い切れません。
そんな時はプロの清掃業者に依頼するのが良いでしょう。
なかなか手が回らない水回りの清掃も、宿泊客の忘れ物に気付くのも迅速に行うことができますよね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
賃貸で民泊を開業する際にはまずは物件を探すところから始まります。
注意点としては、宿泊施設としての営業のできる物件かというのを予め確認しておくようにしましょう。また、設定したターゲットやコンセプトによって内装デザインも変わってきます。内装工事が必要となってきそうな場合には、こちらもまた貸主への確認を怠らないようにしましょう。
加えて、開業前から開業後の運営に対する見通しをたてておくことも必要です。
特に開業後の部屋の清掃については留意しておくようにしましょう。
本業が忙しくてなかなか部屋の清掃にまで手が回らない……こんな時には清掃にはプロの手を借りることがおすすめです。ここで、清掃にはプロの手を借りることがおすすめです。
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